派遣薬剤師は高時給で稼げるって本当?メリット・デメリットを大解剖

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派遣薬剤師はデメリットが多い?本当に稼げるか調査!

時給が高い!と評判の派遣薬剤師。でも「給料が高い分、とてつもないデメリットがあるのでは?」と勘繰ってしまう人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、「なぜ高時給なのか」「具体的なメリット・デメリット」「派遣会社の選び方」など、派遣薬剤師について皆さんが疑問に思っていることを、徹底リサーチしてみました。

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これから派遣薬剤師の道を考えている人は、少しでも良い条件で働くことができるよう参考にしてみてくださいね。

派遣薬剤師のメリット4つ

まずは、派遣薬剤師のメリットを見てみましょう。派遣薬剤師には主に4つのメリットがあります。

高時給で働ける

派遣薬剤師の一番のメリットは、なんといっても「高時給で働ける」ということ。とくに、薬剤師不足の地域ではかなりの高時給になることもあるそうです。

例えば北海道のある都市では、一般的な派遣社員の時給が1,000円~2,000円の間なのに対し、派遣薬剤師は多いところで時給4,000円ほどにもなります。またパート・アルバイト薬剤師の一般的な時給が2,000円ほどなのに対し、派遣薬剤師は2,500円~3,000円が相場と、同じ薬剤師の間で比べても、派遣のほうが高時給なのです。

勤務時間の融通が利きやすい

子どもがいる人にとってとくにうれしいポイントが、「勤務時間の融通が利きやすい」という点です。

例えば、「子どもとの時間を優先させたい」のであれば短時間勤務の職場を選択できますし、逆に「子どもの手が離れたからたくさん稼ぎたい」のであれば、長時間働くことができる職場を希望することもできます。

自分で働き方を決めることができ、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方が可能になります。これなら家事や育児との両立に悩まずにすみそうです。

サービス残業が一切ない

派遣薬剤師は、働いた時間がタイムカードによってきっちり管理されます。よって万が一残業があってもその分のお給料はきっちり支払われます。会社側としては、高い時給を払わなければならない派遣薬剤師にはできるだけ残業はさせたくないのが本音。そのため残業の心配自体がほとんどありません。

スキルアップにつながる

派遣社員は正社員とは違い、調剤薬局・病院などさまざまな職場を経験することができ、それぞれの職場によって求められる仕事が変化します。その結果、一つの職場に長く居続ける正社員よりも、スキルアップができることがあります

派遣薬剤師のデメリット4つ

ここまで見て、「派遣薬剤師っていいことだらけ!」と感じた人も多いかもしれません。でも残念ながらデメリットもあります。派遣薬剤師の道を考えている人は、後悔しないよう、メリットだけではなくデメリットもしっかりと頭に入れておきましょう。

勤務地が選べない

働き方が自由に選べるというメリットがある派遣薬剤師ですが、勤務地を自由に選ぶことは難しいかもしれません。自分が希望した働き方と、希望する勤務地の条件が合致することが難しいためです。「条件を優先させるか、勤務地を優先させるか」という選択になるでしょう。

また派遣薬剤師は、一つの勤務地に長くとどまることが難しく、3~6か月のペースで勤務先が変わることがほとんど。「ずっとここで働きたい」と思っても、なかなかかなわないのです。

長期的な雇用の保証が無い

派遣薬剤師は一つの勤務先にいられる期間が平均で3~6か月ほど。そもそも労働者派遣法により、派遣労働者が働ける期間は1年間、調整の期間を含めても最長3年間までと決められています。

さらに派遣薬剤師は高時給。派遣を使い続けるということは、企業側が支払う金額も高額になるということです。そのため企業側の本音は、正社員やパート・アルバイトが確保できたら一刻も早く派遣は切りたいというところ。短期間の雇用は、人間関係のストレスを抱えにくいというメリットがありますが、常に派遣切りの不安がつきまとう状況は、もっと大きなストレスになることも。

調剤経験を求められることが多い

派遣薬剤師は時給が高いこともあり、派遣薬剤師への現場スタッフの評価は厳しくなりがち。また企業側も、派遣薬剤師には即戦力として活躍できることを求めていることが多いのです。

同じ薬剤師の仕事でも、職場によって細かな業務のやり方は異なりますし、求められるスキルも異なります。それらに瞬時に対応する柔軟性の高さや知識・スキルが必要になるのです。ある程度薬剤師として経験を積んだ人でないと、派遣薬剤師としてやっていくのは難しいかもしれません。

派遣先が変わるごとに仕事内容をいちから覚える必要がある

一つの派遣先に長期間働き続けるということはほとんどありません。そして職場ごとに業務内容は異なります。せっかく仕事を覚えても、覚えたころに派遣先が変わり、また一から仕事を覚えなおさなければならないことの繰り返しになります。さまざまな場所に派遣されるということは、いろいろな経験ができるというメリットにもなりますが、人によってはデメリットにもなり得ます。

派遣薬剤師の充実した福利厚生って?

派遣薬剤師のいいところは、福利厚生が派遣会社によって守られているというところ。もし派遣先が福利厚生の整っていない職場だったとしても、派遣薬剤師の福利厚生は派遣会社が定めたものが適用されます。

派遣社員の福利厚生は、「労働基準法」と「派遣法」で守られていて、社員と同等の福利厚生を受けることができます。もちろん有給や産休を取ることも可能です。ただし社会保険には、30時間以上勤務しないと加入できないことが多いため、注意が必要です。

【裏話】派遣の時給や待遇がいいのはなぜ?

なぜそんなに時給が高いのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。これはズバリ「人材不足」のため。

実のところ薬剤師の数自体は、むしろ飽和状態といわれることも。しかしこれはあくまでもごく一部の都市部に限ったことなのです。地方では薬剤師の数が足りていません。しかも近年、ドラッグストアや調剤薬局などの増加により薬剤師の需要が高まっています。今後もこの状況は続くでしょう。

ただでさえ人材不足なのですから、急な派遣に対応できるような人材はごくわずか。派遣薬剤師の時給が高額で好待遇なのもうなずけます。

失敗しないための派遣会社の選び方

派遣薬剤師は、派遣会社の仲介で職を得ます。また福利厚生などの待遇も、派遣会社で定められたものが適用されます。そのため派遣薬剤師として成功するかどうかのカギは、派遣会社が握っています。派遣会社選びを失敗しないために、以下のポイントに注目しましょう。

「優良派遣事業者」に認定されているか

派遣会社を安心して利用できるよう、「優良派遣事業者認定制度」という制度があります。これは厚生労働省の認定機関により、派遣会社が派遣先・派遣社員どちらにとっても安心なサービスを提供できているかを審査するものです。

定められた基準をクリアした事業者のみが「優良派遣事業者」と認定されます。派遣会社が優良認定事業者に認定されているかどうかは、良い事業者を見分けるための、わかりやすい目安のひとつといえます。

福利厚生の充実

福利厚生は、以前は正社員のみが受けられるものというイメージがありました。しかし派遣社員の増加に伴い、現在では派遣社員でも正社員と同等の福利厚生が受けられることも。

派遣社員の福利厚生は、派遣先ではなく所属する派遣会社のものが適用されます。安心して働くために、福利厚生は重要なポイント。福利厚生の中身をしっかりと確認し、正社員と同等の福利厚生が受けられる会社を選びましょう。

保有する求人数や質

派遣会社によって、求人の数や派遣先の質は異なります。たとえ福利厚生などの面がしっかりしていても、派遣先が見つからなかったり、派遣先の会社の質がイマイチだったりするのは困りもの。派遣会社によって、得意な職種は異なります。薬剤師系に強い派遣会社を選ぶことが大切です。以下の項目をチェックしておきましょう。

  • 全体的な薬剤師の求人数。
  • 自分の希望するエリアの求人数
  • 自分の希望する職種(病院・調剤薬局・ドラッグストアなど)の求人数

応募先との交渉力

勤務先で自分の希望する条件が通るかどうかは、派遣会社の交渉力もカギとなります。最初からすべての希望条件を満たした企業が見つかることは稀です。でも、派遣会社の交渉次第で希望の条件に近づけることはできます。交渉力のある派遣会社を選べば、希望する条件で働ける可能性がぐっと高まります。

また派遣先で何か困ったことがあっても、派遣会社に交渉力があれば、あなたと派遣先との間に入ってしっかりと支援してくれることでしょう。安心して働くことができるのではないでしょうか。

派遣薬剤師におすすめの転職支援サイト5選

おすすめの派遣会社を5つ厳選しました。それぞれの強みや魅力を、福利厚生、求人の数や質、派遣先の職種、対応エリアなどに着目し、まとめました。派遣会社選びの参考にしてみてください。

薬キャリ

おもに医師や薬剤師向けの求人を扱う派遣会社です。医療業界向けのサービスを行う、東証一部上場のエムスリーグループが運営していて、そのつながりを生かした充実の求人が魅力です。

・福利厚生

薬キャリが加盟する「関東ITソフトウェア健康保険組合」は、少ない保険料で手厚い保証が受けられると評判の保険組合です。また、産休育休もしっかりととることができるよう、責任をもって派遣先と交渉をしてくれます。

・求人の数や質、職種

エムスリーで培われた知名度やつながりから、とくに病院や医療機関の求人が充実しています。企業薬剤師の求人の数も少なくありません。

・扱うエリア

全国

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ファマルスタッフ

他社を圧倒する求人数と、高収入の求人が豊富なところが魅力。その秘密は、大手調剤チェーンの「日本調剤グループ」が運営しているため。派遣先の職場の雰囲気等をチェックし利用する人に伝えてくれるので、安心して働くことができそうです。

・福利厚生

既定の労働時間以上勤務することで、各種保険に加入することができます。もちろん有給休暇もしっかりととることができます。教育制度が充実しているため、キャリアが浅い人も安心して働くことができます。

・求人の数や質、職種

求人数も質も業界屈指を誇ります。職種問わずさまざまな求人を扱っていて、高時給の求人が多いと評判です。

・扱うエリア

全国

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クラシスの薬ジョブ

調剤会社さくら薬局を運営する会社が出資する会社なので、薬剤師さんの立場に立ったサポートをしてくれます。調剤薬局など企業系の求人が豊富です。全体の求人数も7万件以上とトップクラス。それぞれの希望に合わせた派遣先を見つけやすいところも魅力です。

・福利厚生

各種保険はもちろん、薬剤師賠償責任保険にも加入できます。有給休暇・産前産後休暇・介護休暇など休暇制度もしっかりと利用でき、ライフスタイルに合わせて働くことができます。

・求人の数や質、職種

豊富な求人数。中でも企業系の求人が豊富で、希望に合わせた派遣先を見つけやすいです。

・扱うエリア

全国

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お仕事ラボ

調剤薬局「アイセイ薬局」が立ち上げた薬剤師のための求人紹介サイトです。それぞれの薬剤師のライフスタイルに合わせた労働環境を選択できるよう支援してくれます。ライフスタイルに合わせた派遣先を選択したい人、調剤薬局に転職したい人にとくにおすすめです。

・福利厚生

各種保険等基本的な福利厚生に加え、給料を速くもらえる「速払いサービス」を福利厚生の一環として取り入れています。

・求人の数や質、職種

全体の求人数自体は少なめですが、派遣の求人数は多いのが特徴。とくに調剤薬局の求人が豊富です。また、一人一人の希望に合わせた派遣先を提案してくれるところも魅力的です。

・扱うエリア

全国

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メディカルプラネット

もともと薬剤師専門の派遣事業者として始まったメディカルプラネット。10年以上の実績を持つ会社です。そのため豊富で幅広い求人がそろっています。

・福利厚生

基本的な保険の加入はもちろん、有給や育休などの取得実績も多数あります。休暇制度の充実により、仕事とプライベートの両立が容易にできます。

・求人の数や質、職種

企業など調剤以外の仕事も豊富です。幅広い職種から選択したい人におすすめです。

・扱うエリア

全国

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派遣薬剤師で働くには派遣会社選びがポイント!

派遣薬剤師には、正社員やパート・アルバイトとは違ったメリットがあります。派遣薬剤師のメリットを生かすと、「効率よく稼ぎたい」「ライフスタイルに合わせた働き方をしたい」など一人一人の希望に合わせたもっと自由な働き方が選択できるかもしれません。より良い働き方を求め、派遣薬剤師の道を考えてみてはいかがでしょうか。